大相撲の呼出全45人一覧と階級表!年収格差や土俵の裏側を徹底解剖
大相撲中継で館内に響き渡る澄んだ美声「ひが〜し〜、〇〇やま〜」。力士を土俵へと招き入れ、土俵周りの砂を整え、懸賞旗を掲げて颯爽と歩く裏方のプロフェッショナルが「呼出(よびだし)」です。土俵上の主役が力士なら、空間そのものを創り上げ、興行のリズムを刻み続ける呼出は、まさに大相撲の演出監督兼クラフトマンといえます。
しかし、行司と違って軍配を持たない彼らが、普段どのような組織構造で動き、どの程度の報酬を得ているのかは、長年ベールに包まれてきました。定員わずか45名という極めて狭き門のなかで繰り広げられる昇進レース、過酷な土俵築き、そして近年SNSを中心に熱い視線を集める「イケメン呼出」の素顔まで、角界を取材し続ける取材陣が総力を挙げて深層に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:大相撲の呼出は定員45名・9つの階級制で構成され、頂点の「立呼出」には克之が君臨し興行全体を統括している。
- 要点2:給与体系は「十両呼出」を境に激変し、幕内・三役クラスで年収600万〜800万円超に達する一方、幕下以下は修業期間として手当中心の厳しい格差が存在する。
- 要点3:美声の呼び上げや太鼓だけでなく、土俵をイチから造る「土俵築き」など泥臭い重労働を担い、伝統的な徒弟制度と近代的な組織マネジメントの狭間で進化を続けている。
【2026年最新呼出名鑑】階級制度の全貌と現役立呼出・上位陣の顔ぶれ
日本相撲協会に所属する呼出の定員は規約により原則45名と厳格に定められています。呼出の世界は完全なるピラミッド型の序列社会であり、番付上の力士や行司と同様に9つの階級に明確に区分されています。番付表に名前が載るのは十両呼出以上であり、幕下以下の若手呼出は場内アナウンスや取組表の端にすら名前が出ない徹底した格差社会です。
最高峰の「立呼出」は、結びの一番を呼び上げる呼出の長老格であり、土俵祭りの設営や全呼出の統括責任者を務めます。かつて不祥事や定年が重なり空位が続いた時期もありましたが、現在は長年土俵を支えてきた克之(花籠部屋)が立呼出として重責を果たしています。歴代の立呼出には、名著『呼出秀男の相撲ばなし』を残した秀男や、美声で知られた寛司など、相撲史に名を刻んだ職人たちが名を連ねてきました。
日本相撲協会の最新配置データおよび呼出会(呼出全員で構成される自主組織)の体制を分析すると、上位陣から序ノ口までの人員構成は以下の階級ピラミッドで配分されています。
| 階級 | 定員・主な役割 | 推定年収・待遇基準 | 編集部の見解・実態評価 |
|---|---|---|---|
| 立呼出(たてよびだし) | 1名(克之) 結びの一番、呼出全体の統括 | 推定800万〜1,000万円以上 最高峰の役員格手当 | 相撲界全体の象徴的存在。責任の重さと土俵祭りの重責を背負う。 |
| 副立呼出 | 1名以内 結び前の取組、立呼出補佐 | 推定700万〜850万円前後 | 立呼出への登竜門。空位になるケースもある特別なポスト。 |
| 三役呼出 | 約3〜4名前後 大関・関脇・小結の取組を担当 | 推定600万〜750万円前後 | ベテランの職人技が光る。土俵築きの現場総指揮を執る中核。 |
| 幕内呼出 | 約8〜10名前後 前頭の取組呼び上げ、懸賞旗持ち | 推定450万〜600万円前後 | テレビ中継に頻繁に映る看板層。ファン認知度が急上昇する階級。 |
| 十両呼出 | 約6〜8名前後 十両の取組、有資格者総会参加 | 推定350万〜450万円前後 正式な月給制対象 | 待遇の分水嶺。呼出会総会への出席資格を得てプロとして自立。 |
| 幕下以下呼出 (幕下・三段目・序二段・序ノ口) | 計約20名強 前相撲〜幕下取組、雑務全般 | 月額手当十数万〜二十数万円 部屋からの生活支援依存 | 厳格な徒弟修業期間。土俵整備の肉体労働の大半を担う下積み時代。 |
相撲ファンの間では「呼出は相撲協会直属の職員なのか、それとも部屋の所属なのか」という疑問が度々上がります。結論として、身分は相撲協会の専従契約(職員扱い)でありながら、全員がいずれかの相撲部屋に所属しています。出羽海部屋、高砂部屋、伊勢ヶ濱部屋など、各部屋に1〜2名の呼出が所属し、普段は力士たちと寝食を共にしながら稽古場の土俵を整備しています。
呼び出しのリアルな給料と年収格差|幕内・十両と幕下の決定的な境界線
大相撲の裏方を志す若者やファンの間で、最も関心を集めながらも公に語られる機会が少ないのが「呼出の給料と年収事情」です。協会規約上、具体的な俸給表は非公開とされていますが、関係者の証言や退職者の手記、協会予算書などからそのリアルな給与体系が浮かび上がってきます。
呼出の給与における最大の境界線は、力士の「関取」と「養成員」の境界線と酷似しており、まさに十両呼出への昇格にあります。
幕下以下の呼出は、法的には「見習い・修業生」の色彩が濃く残る制度設計です。月々に支給される金額は基本手当として15万〜20万円前後にとどまり、部屋の大部屋で寝起きしながら力士と同じちゃんこを食べることで衣食住を確保しています。自前の装束を着ることも許されず、部屋や先輩から譲り受けた着物で土俵に上がります。
一方、十両呼出に昇格すると日本相撲協会の「有資格者」として公認されます。ここから本格的な月給制が適用され、年2回の賞与や巡業手当、装束調達の補助が手厚くなります。十両呼出から幕内呼出へとステップアップするにつれて、年収は400万円台から一気に600万円以上へと跳ね上がります。
さらに三役呼出、副立呼出、立呼出へと上り詰めると、退職金積立や各種役職手当が加算され、最終的な年収は800万〜1,000万円の大台に達します。65歳の定年まで勤め上げた場合の退職金も一般的な大企業並みに確保されるため、過酷な下積みに耐えて上位に到達した職人には、確かな経済的安定が約束される構造となっています。
土俵築きから触れ太鼓まで|行司と呼び出しの違いと過酷な仕事内容
相撲初心者にとって混同されがちなのが「行司」と「呼出」の役割分担です。両者の決定的な違いを一言で表すなら、行司が「判定と神事の司祭」であるのに対し、呼出は「土俵の設営・空間維持と興行の進行」を掌る総合職人です。
呼出の担当業務は、テレビ中継で見える華やかな呼び上げだけではありません。むしろ中継カメラが回っていない時間帯こそが、彼らの本領発揮の場です。
呼出が担う主要な任務は多岐にわたります:
- 呼び上げ(本業の美声):力士の四股名を独特の節回しで扇子を広げて呼び上げる。マイクを使わない生声の響きが重要視される。
- 土俵築き(どひょうづき):本場所の開催前、荒木田土と呼ばれる粘土質の土を用い、叩き板、タコ足、ビール瓶などを駆使して完全手作業で土俵を造り上げる。
- 太鼓の打ち分け:初日を告げる「触れ太鼓」、開場時の「寄せ太鼓」、一日の興行終了を告げる「跳ね太鼓」の3種類を叩き分ける伝統芸能。
- 土俵進行管理:勝負ごとの土俵の掃き清め、力士への水つけ用の水桶管理、塩とタオルの補充、座布団の回収。
- 懸賞旗の掲揚:指定された順序で懸賞旗を持ち、土俵の周囲を均等な間隔で一周回る立ち居振る舞い。
元立呼出・秀男氏の手記『呼出秀男の相撲ばなし』にも描かれているように、特に「土俵築き」は過酷を極める肉体労働です。約50トンもの粘土を運び入れ、重い木槌で数千回、数万回と叩き締めて力士の足首を守る硬さと弾力を生み出します。土俵の固め具合一つで力士の生命線であるアキレス腱や膝の怪我リスクが左右されるため、親方衆からも呼出の職人技には絶大な信頼が寄せられています。
スー女熱狂の「イケメン呼出」事情とSNS評|美声と職人技のギャップ
近年の大相撲ブームにおいて、女性ファン(通称:スー女)の熱い視線を集めているのが、若手から中堅にかけての「イケメン呼出」たちの存在です。X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、力士の取組写真と並んで呼出の一挙手一投足を追うファンアカウントが多数存在します。
ファンが惹きつけられる最大の魅力は、「端正な立ち居振る舞いと、泥にまみれる職人魂のギャップ」にあります。土俵上では凛とした着物姿で艶やかな美声を響かせ、力士に対して礼儀正しく一礼する所作の美しさが際立ちます。一方で、取組の合間には膝をついて素手で箒を操り、場所前には作業着姿で汗だくになって土俵を叩く。この二面性がファンの心を掴んで離しません。
ネット上のコミュニティや観戦者の声でも、具体的な呼出の名前が頻繁にトレンド入りします:
- 「呼び上げの声の伸びが圧倒的で、所作がとにかくスマート。花道を引き上げる時の横顔が美しすぎる」(20代女性ファン)
- 「懸賞旗を持って歩く時の姿勢の良さはモデル並み。力士の巨体と対比された時の引き締まった体躯が絵になる」(30代観戦者)
- 「重夫さんや啓輔さんなど、中堅・ベテランの実力派が見せるいぶし銀の笑顔がたまらない」(相撲ファン歴15年の投稿)
単なる外見の良さだけでなく、呼び上げの音程の正確さや声量、土俵周りの機敏な動きが評価されて初めて「真の人気呼出」として認められる点も、厳しい審美眼を持つ相撲ファンならではの特徴です。
伝統の影にある構造的課題|過去の不祥事の真相と現在のコンプライアンス
格式高い伝統を誇る呼出の世界ですが、その歩みは平坦なものばかりではありませんでした。相撲界特有の閉鎖的な徒弟制度と絶対的な年功序列は、時として重大なハラスメントや不祥事という歪みを生み出してきた歴史があります。
角界を揺るがした最大の事案として記録されているのが、2019年に発生した当時の立呼出・拓晃(ひろゆき)による暴力不祥事です。巡業先において後輩呼出に対して指導の名目で暴力行為に及び、被害届の提出や日本相撲協会のコンプライアンス委員会による調査へと発展。結果として拓晃は懲戒処分を受け、相撲界を去ることとなりました。呼出の最高峰である立呼出が暴力によって失脚するという前代未聞の事態は、協会の組織改革に強烈な警鐘を鳴らしました。
なぜ、このような不祥事が起きてしまったのか。組織心理学およびスポーツ社会学の観点から分析すると、閉鎖的コミュニティにおける「心理的バウンダリー(境界線)の崩壊」と「徒弟制の共依存」が根底に存在していました。
かつての呼出社会では、10代半ばの中卒で入門し、同じ部屋で24時間寝食を共にしながら「親方や先輩の言うことは絶対」という過剰適応を強いられる環境がありました。技術指導と言語的・身体的暴力の境界線が曖昧になり、理不尽な上下関係が「伝統的な教育」として美化されてきた構造的欠陥があったのです。
この事件を契機に、日本相撲協会および呼出会は抜本的なガバナンス改革に着手しました。外部弁護士によるコンプライアンス相談窓口の設置、階級間の風通しを改善する定期ミーティングの導入、指導マニュアルの可視化が進められ、2020年代半ばの現在では「体罰や威圧による指導の完全撤廃」が徹底されています。
昇進基準と65歳定年の壁|角界の職人組織に向いている人・不向きな人
呼出の昇進は、力士のように勝敗の数字(白星・黒星)で白黒がつく世界ではありません。昇進規定の根幹にあるのは「勤続年数(年功序列)」と「技量・品格の総合評価」です。
一般的に、入門から十両呼出に昇進するまでには15年〜20年近くの下積みを要します。昇進の審査基準には以下の要素が厳格に問われます:
- 呼び上げの技量:声の張り、節回し、館内の隅々まで通る音圧のコントロール力。
- 土俵築きの技術:土の配合、叩き締めの勘所、俵の埋め込み技術などクラフトマンとしての熟練度。
- 太鼓の技量:触れ太鼓・寄せ太鼓・跳ね太鼓のリズム感と協調性。
- 勤務態度と人望:部屋内外での協調性、コンプライアンス遵守、後輩への適切な指導力。
また、呼出には65歳という厳格な定年制(停年)が定められています。どれほど名人と謳われた立呼出であっても、満65歳を迎える本場所の千秋楽をもって土俵を去らなければなりません。力士のような現役復帰や引退後の親方株襲名といった道はなく、一代限りの職人人生を潔く全うすることが求められます。
【プロの結論】相撲界の裏方職人に向いている人物像・避けるべき適性
長年の取材データと現場の育成環境を踏まえ、呼出という過酷な伝統芸能職に向いている人と、選ぶべきではない人の判断基準を整理します。
【向いている人の条件】
- 協調性と自己規律が高い人物:「自分が目立つこと」よりも「取組を円滑に進行させること」に純粋な誇りを持てる献身性。
- 地道な反復作業と肉体労働に耐えうる強靭さ:土俵築きや会場設営など、腰や関節を酷使する作業を長年継続できるフィジカル。
- 伝統の身体感覚を素直に吸収できる柔軟性:先輩の所作を見て盗み、自らの型を少しずつ微調整していける職人的な探求心。
【慎重になるべき・おすすめできない人の条件】
- 短期的な成果報酬や自己アピールを重視する人:10年以上の下積みが前提となるため、早期の評価や経済的成功を焦るタイプは激しいフラストレーションを抱えることになります。
- 閉鎖的な共同生活に強いストレスを感じる人:相撲部屋という特殊な擬似家族空間で長時間を共にするため、完全なプライベートの独立を最優先したい人には不向きです。
【相撲 呼び出し 一覧】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:呼び出しになるための採用条件や年齢制限はどうなっていますか?
A1:日本相撲協会の規定により、義務教育を修了した満15歳以上23歳未満の男子であることが条件です。身長・体重の制限はありませんが、相撲部屋に入門して親方の推薦を得た上で相撲協会に採用申請を行う必要があります。定員45名に空きがない場合は新規採用が行われない狭き門です。
Q2:呼び出しの名前(四股名)は本名ですか?それとも芸名ですか?
A2:呼出の名前は力士のような四股名ではなく、下の名前(名のみ)で呼ばれます。本名の下の名前をそのまま名乗るケース(例:克之、大将など)が多いですが、元立呼出の秀男氏のように「先輩から読みやすい名前に改名された」という慣例や、師匠から一字もらった名前を名乗るケースもあります。苗字は土俵上では一切名乗りません。
Q3:土俵から落ちて力士の下敷きになり怪我をすることはないのですか?
A3:頻繁に危険と隣り合わせです。特に十両や幕内の取組中、土俵下で力士に水やタオルを渡す待機中や、箒で土俵を掃いた直後に巨漢力士が転落してくる場面があります。呼出は日頃から力士の動きを瞬時に察知して身をかわす危機回避能力を徹底的に叩き込まれますが、稀に接触して打撲などの負傷を負うこともあります。
まとめ:土俵を支える45人の美学とこれからの大相撲観戦の視点
大相撲の土俵は、力士たちの肉体美と闘志だけで成り立っているわけではありません。夜明け前から土俵を叩き締め、澄み渡る美声で観客を非日常へと誘い、取組が終われば埃一つ残さず掃き清める——わずか45名の呼出たちが注ぐ情熱と職人技があってこそ、千年の伝統が現代に息づいています。
幕内呼出の艶やかな着物さばきや、十両昇進を巡る過酷な階級の壁、そして土俵の陰に隠された過酷な土俵築きの実態を知ることで、本場所の観戦体験は何倍にも深まります。次に大相撲を観戦する際は、ぜひ力士の取組前後に響く「ひが〜し〜」の声と、土俵を小気味よく掃き清める呼出の凛とした背中に注目してみてください。そこには、土俵に命を捧げた本物の職人たちの美学が宿っています。 (出典: 相撲 呼び出し 一覧(Yahoo!ニュース))